駐車場の車の中で、妻の決心がつくのを待っていたが、娘の幼稚園のお迎えの時間になってしまい、結局なにもせずに戻ることになった。
その日の夜、妻はかなり落ち込んで、自分の部屋に籠っていた。鬱病の場合、「自分が出来なかった」という事が、より一層気持ちを落ち込ませる。例えば外出の予定があったとして、直前で外出したくなくなるのは鬱病の症状としてよくあるのだが、この場合、もちろん無理に外出するのは鬱病を悪化させる要因になりうるので、良くない。でも、外出を中止したとしても、後で、外出できない自分に対して自分自身でダメ出しをして、気持ちを落ち込ませてしまうのである。
このままでは、妻がどんどん落ち込んでいく負のスパイラルに陥りそうだったので、DVを受ける覚悟をして妻の部屋へ話を聞きに行った。
妻は落ち込んでいたものの、思っていたより落ち着いていて、私と普通に話をしてくれた。妻曰く、やはり対面での決別はハードルが高すぎ、もう一度チャレンジしても出来る気がしない、とのことだった。私は、無理に決別しようとすることのほうがストレスで、鬱病を悪化させると思ったので、当面は交流を持たないようにして時期を待とう、ということ消極策を提案した。
でも、妻の決別の決心は固く、妻から提案されたのは「手紙による決別」だった。