鬱とDV日記

「ビッグツリー」を読んで

「ビッグツリー 私は仕事も家族も決して諦めない」という本を読んだ。元東レの社長である佐々木常夫さんの著書だ。

何故この本を読んだかと言うと、妻が薦めてきたから。この本は、「忙しい東レの社長でありながら、家庭では鬱病の妻や自閉症の子どもの世話もした、という素晴らしい人の自伝である」という評判をどこからか聞きつけたらしく、私に嫌味たっぷりに「読め」と言ってきたのだ。

一気に最後まで読んだが、私の感想はまったく違った。確かに、仕事でも八面六臂の大活躍だし、忙しい最中に家事をこなしたり、自閉症の子どもの世話をしたり、もの凄く能力の高い人だとは思った。

しかし、どう見ても優先順位の一番は仕事になっていて、そのせいで奥さんの鬱病が悪化したようにしか思えない。奥さんは2度も自殺未遂をしているし、自閉症の子どもの世話は時間が必要だし、そんな状況ならまずは仕事をセーブしようと考えないのだろうか?本のサブタイトルには「仕事も家庭も諦めない」と書いてあるが、それは嘘だ。家庭は諦めてる。この本を美談として褒めているコメントをたくさん見かけるが、信じられない。

鬱病の妻を持ち日々苦労している夫の方々には、反面教師として読むことをおススメする。

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